投資参謀 大手川隆

世の中の不条理なことや仕組みに一石を投じる 

相手の気持ちに立った時に、はじめてわかるものがある。

皆さんこんにちは

前回の年金についてのブログ、なんと一日で360アクセスがありました。いつもありがとうございます。 普段は全然アクセスがないの。。。

 

 

なお、本日はもっとブログをあげる頻度を多くしてくれと言われましたので、ない脳みそを振り絞りました。

 

前職時代、同僚と帰り道にある銀行の前を通りかかり、そこには個人向け国債のキャンペーンのポスターが張ってありました。

最近もし個人向け国債を案内されたことがある方なら、ご存知かと思いますが、金利自体は雀の涙以下0.05%です。

銀行の定期預金として預けても0.01%~0.02%程度なので、それに比べたらいいのですが、わざわざ買うっていうほどでもない。

そこで各金融機関は、キャッシュバックキャンペーンと称して、0.2%~0.4%の現金をプレゼントするわけです。

3年債は0.2% 5年債は0.3% 10年債は0.4%といった具合です。(なお、昨年か一昨年くらいから、3年債だと対象にならなくなりました。)

これらを考えると、キャッシュバックキャンペーンの魅力は少し伝わるのではないかと思います。

そこで、国債を案内するのに、お客さんには必要条件を伝えるのだが、5年やら10年は長いと仰る方もいらっしゃるでしょうが、実は個人向け国債は購入から一年経過すれば、受け取った利金を返せば元金が戻ってくるのです。

考え方変えれば、1年定期をするようなもんです。

銀行預金の10倍以上の利率で、リスクはほぼなし、夢のような商品です。

細かい話になると、プレゼントされた現金は雑所得で、総合課税になりますので、所得の高い人は最高で55%の所得税、住民税がかかります。

まあ、競馬の賞金もそうですが、私はそれらを申告する人は未だに見たことはありません笑

ちょっと前触れが長くなりましたが、本当はこんなことを説明したくて書いてるわけではありませんが、折角なので、もう少しご辛抱願います。

さて、実はこの仕組み、やめたほうが国のためになると思うんです。

なぜなら 財務省が金融機関に支払う手数料というのがあります。大体0.3%くらいです。利率が0.05%の国債を買ってもらうのに、0.3%の手数料を国が払ってくれる。それって何で補填されるの? そうです。税金です。  これが問題点①

続いて問題点②、販売側もタダ働きです。

財務省からのお金をそのまま投資家に回しているので、なんのメリットもないのです。(それがいいという考え方もあるかもですが)

まあ、証券会社に求める方ならこんな利率で満足はしないでしょうし、銀行の営業もこれを持ってきて、保険と抱き合わせ販売している姿も想像できます。

私ももちろん案内したことなくはない。しかし、それは会社に対して見せるファイティングポーズを構える程度の話で、お客さんがどうしてもっていうなら、預金よりいいのだから仕方はないが、自ら強く進んで勧めはしませんでしたね。

 もっと普通に効率よく儲けることができるからです。

さて、本題です。

当時同僚と第3者的立場でキャンペーンのポスターを見たときに、「1000万円で4万かよッ」と同時に口走ったのです。なぜなら、投資の世界(特に株)では、そのくらいは一日でできるし、場合よっては数分で取れます。(もちろん逆もありえます

株好きな人にとっては、時間の無駄だという認識なので、ついつい自然に口から出たのです。同じ債券なら、ソフトバンクの債券買ったほうが年率1.5%~2%あるので、効率がいいわけです。

 

また、その時二人が目線を合わせて、「そうか、お客さんもわざわざお金を動かして、これぽっちしかないならやりたくないのか」と納得したわけです。

 

これと似たような相手の立場に置き換える事例ですと、私は為替だと思ってます。

普通は皆さん、円安=株高というイメージが強いではないでしょか?しかし、実は円高=株高 という場合もあります。なぜなら海外投資家から見たら、日本株を買うのに、米ドルが高くなると、いくら株が高くなっても、利益が出ないのです。

アベノミクス始まった時に、株は確かにあがりました、でも円安にもなりました。

例えば日経が8000円から12000円になったとしましょう、単純に1.5倍ですが、為替が80円から120円になったとなると、実は海外投資家は利益0なんです。

 

私たちが外国株、債券に投資するときも同じです。

日本にいる投資家の場合は円安になってほしいが、そうではない立場の人もいるわけですね。。

 

もう一つ例を申し上げますと、

イギリスが2016年国民投票EUを離脱すると決めたとき、ポンド対円ではかなり売られて、急激に円高に振れたわけです。

さて、当時ある方がポンドをお持ちだったので、すでに含み損な状態でした。さて、イギリスの場合、ポンドが円高(ポンド安)に振れたら、誰が儲かるか、そう。イギリスに籍を置く企業です。当時私はユニリーバの株自体がタイミングがいいと思い、もっているポンドを持ったまま、外貨決済でユニリーバを買ったわけです。結果ご存知のように株価は大きく値上がりしました。ポンド安になると、イギリスの企業にとって、有利だからです。逆にに日本から見ると、よくないように映るが。。。。

当時はそれを逆手にとって、ユニリーバを案内したわけです

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 様々な観点からみて、多くの人は、為替が円安になってほしい気持ちはとてもわかりますが、そう簡単にいきません。それぞれの立場の人がそれぞれの思惑があり、それが交錯して売買され、市場を形成しているのがマーケットです。

 

数年前、サイバーエージェント会社説明会に参加したことがあり、そこでとある方が藤田社長に向かって、自社株買いをしてほしいと申しました。

藤田社長は以前自社株買いを発表した時期を現した資料を展開し、はっきりと「私たちは基本地合いの悪い時にしか自社株買いをしません。」といったのに対して、その女性はまるで聞いていないかのように、「それでもやってほしい」というわけです。

藤田社長「ですから、今はそーゆー時期ではないとおもいます。。」

女性「それでもぜひやっていただきたいですぅ」

藤田社長「ですから。。。」

そのやり取りがなんと3往復くらいありました。。

 

最後には藤田さんが呆れて言葉を失ってました。

 

自社株買いを発表すれば、流通株数が減り、株価が上昇する傾向があります。

自分が持っている株をあげたい気持ちはわかるが、あまりにもわがまま過ぎる要求で多分聞いていた人たちみんな呆れていたと思います。

自分の目線のみならず、相手の心理を考えると、違う見方ができることを学んだ出来事でした。

 

投資はあまり欲を出さずに、ほどほどに勝ちたいものですね。